Making a zine for kensatools : 手製本(中綴じ、再び)
zineの中綴じ製本トライ
前回の記事「Making a zine for kensatools : コンテンツと原稿作成」において、kensatoolaのzine作りの第一歩である原稿作りについて、Wordを使って投稿記事のブラウザからのコピー&ペーストで読み込んで、レイアウトや余白設定などを行いました。
このあとも原稿の編集作業は、表紙のデザイン、文章の見直し、修正などの推敲、誤字脱字の校正や画像サイズの変更などと継続しましたが、ある程度、出来上がった時点でテスト印刷してみます。
この段階での原稿は、表紙+本文p.62、表紙を入れると使用する用紙数が16枚です。ちなみに、本文は18章立ての内容です。
折角印刷するならということで、この記事「手はじめの手製本(中綴じ)」で書いたやり方で中綴じしてみました。
プリントアウトすると間違いは見つけやすいものですし、修正したい箇所があっちもこっちもと出てきます。
そんなこともあって、印刷→中綴じ→編集→印刷→中綴じ→編集→印刷→中綴じという無限ループを繰り返しているうちにどんどん増えていったので並べてみました。それが冒頭の図や左図です。
画像の中の左上がテンプレート(表紙制作前)→表示制作後、白黒印刷→本文修正をしてのカラー印刷を繰り返した後、右下のものだけはコート紙へのカラー印刷をしたものです。
化粧断ち
左上のテンプレート(表紙制作前)を見るとわかりやすいですが、冊子の小口側(右側のページが開く側)が揃っていません。これは中綴じの構造上の特徴で半分に折ったページを重ねていくので真ん中のページ程外側へはみ出ることによります。
ページ数が少なければそれほど目立たないのでそのままという選択もありですが、めくりにくい、見た目が美しくないという理由から通常は不揃いの端を切り揃えます。
この端を切って揃えることを「化粧裁ち」と言います。
「化粧断ち」は、カッターや裁断機で行います。裁断機などよい道具を使えば、出来映え、効率性のよさを得られます。
なお手製本(中綴じ)トライ(全体)の画像では、上側の3つが化粧裁ちしてない状態、下3つが化粧裁ちした状態です。
それは、表紙の画像の小口側の余白の大きさが異なることでわかります。下の3冊の余白の方が上のもの(中央または右のもの)の余白より小さくなっており、下の3冊は化粧裁ちのためにその分を切断したということです。
さらに、下の右側の冊子の余白は真ん中のものよりさらに小さくなっていますが、これは右下のものだけはコート紙を使っており(表面が少しテカっています)、他のものより用紙が厚く、はみ出る量が大きくなるので化粧裁ちする長さも大きくなった結果です。
中綴じの綴じ限界
最後のものだけコート紙を使ったのは、写真の印刷具合を確認したかったためです。使った紙は、ASKULのカタログで見つけた「富士フイルム 両面コート紙 JD COAT 157」という厚口コート紙(厚さ0.173mm)です。
それ以外の冊子は、すべて通常のコピー用紙を使用しています。
コピー用紙を使った冊子の厚さは約1.5mmで、この記事「手はじめの手製本(中綴じ)」で紹介したMAX製ホッチくるで綴るととめられるけどアヤシイという具合です。アヤシイというのは、針の折り返しの長さが足りてないのです。MAXによるとホッチくるは最大15枚までとのことなので、16枚を綴るのはやはりアヤシイのでしょう。
ただし、ホッチくるで使うホッチキスの針は10号、それ自体は32枚まで綴じられるとありますので「手はじめの手製本(中綴じ)」で説明したような綴じ方なら可能な範囲内ということです。一般にコピー用紙の厚さは0.09mmなので32枚ということは、要するに、最大厚さ 0.09mm×32=2.9mmの厚さまで綴じられるということなので1.5mmであれば余裕のはずです。同じ針を使用してもホッチキスによっても随分綴じられる厚さが異なるようです。
図が中綴じでのホッチキスの状態です。(a)がコピー用紙の冊子、(b)がコート紙の冊子ですが、(a)はしっかり綴じられているのに対し、(b)は下側がはずれてしまっています。
図.中綴じのホッチキスの状態
今回のコート紙の場合、紙の厚さは0.173mmですので16枚の厚みは 0.173mm×16=2.8mm と、10号針のMAX厚 2.9mmよりは小さく綴じられそうなのですが、前述したホッチキスの針の返しが短いので、綴じた最初はとまっていましたが、時間が経つと画像のように外れてしまいました。
まだ全ページにこの厚口のコート紙を使うと決まったわけではないですが、この厚さでは中綴じは無理と判断した方がよさそうです。
とはいえ、だんだん、zineらしくなってきました。